大阪市住吉区の基本情報
上町台地の南端に位置し、大阪市の最南部にあるこの地域は、大和川を挟んで堺市の堺区および北区と接しています。地域を貫く主要な交通路として、南北方向に伸びる6つの鉄道路線があり、さらにあびこ筋とあべの筋の2本の主要な道路も都心部とこの地域を結んでいます。
人口
住吉区の人口は、2023年11月時点で約15万人です。男女比は、男性が約46%、女性が約54%です。年齢別人口構成は、15歳未満が約10%、15歳から64歳が約60%、65歳以上が約29%となっています。
産業
2014年の経済センサスに基づくと、大阪市住吉区の事業所は合計5,669箇所で、従業員は約45,123人です。産業別で見ると、「卸売業、小売業」、「宿泊業、飲食サービス業」、「不動産業、物品賃貸業」の順に多く、これらは事業所数の半数以上を占めています。
一方、従業員数では「医療、福祉」、「卸売業、小売業」、「教育、学習支援業」の順に多く、この3業種で全従業員の半数以上を構成しています。
また、住吉区では「生活関連サービス業、娯楽業」と「医療、福祉」が大阪市全体でそれぞれ4位、5位の事業者数を、そして「医療、福祉」と「教育、学習支援業」が従業者数で3位、4位にランクインしています。
これらのデータから、住吉区の産業が多岐にわたり、特に医療、福祉および教育、学習支援業が重要な役割として機能していることが分かります。
交通
住吉区には以下の鉄道路線が通っています:
- 大阪メトロ御堂筋線
長居駅 – 我孫子駅 - JR阪和線
長居駅 – 我孫子町駅 – 杉本町駅 - 南海電鉄高野線
帝塚山駅 – 住吉東駅 – 沢ノ町駅 – 我孫子前駅 - 南海電鉄南海本線
粉浜駅 – 住吉大社駅 - 阪堺電気軌道阪堺線
塚西停留場 – 東粉浜停留場 – 住吉停留場 – 住吉鳥居前停留場 – 細井川停留場 – 安立町停留場 – 我孫子道停留場 - 上町線
帝塚山三丁目停留場 – 帝塚山四丁目停留場 – 神ノ木停留場 – 住吉停留場
大阪市住吉区の観光・グルメ
観光
住吉区には、以下の観光スポットがあります。
- 住吉大社
住吉大社は、日本国内に約2300ある住吉神社群の中心となる総本宮です。
摂津国の一之宮としても名高く、かつて官幣大社に指定されていた歴史を持ち、現在は神社本庁によって別表神社として認定されています。
この神社では、底筒男命、中筒男命、表筒男命という3柱の神々を主祭神としており、これらは「住吉大神」や「墨江の三前の大神」として総称されます。
さらに、神功皇后も祀られていることで知られています。
住吉大社は、航海の安全、祓い、農耕、和歌、武勇、相撲など、様々な分野の守護神として長い間信仰を集めてきました。
特に新年の初詣の時期には、毎年200万人以上の参拝者で賑わいます。
- 阪堺電気軌道
大阪府で現存する唯一の路面電車である「チン電」は、今も多くの市民に親しまれ、重要な交通手段となっています。
この路面電車には、恵美須町(通天閣近く)から堺の浜寺駅前を結ぶ阪堺線と、天王寺駅前から住吉までを結ぶ上町線の2路線があります。
阪堺線は1911年(明治44年)に開業した旧阪堺電気軌道株式会社が前身で、一方、上町線は1900年(明治33年)に開業した大阪馬車鉄道株式会社が前身で、その名の通り、初期には馬車がレールを走っていた歴史があります。
- 帝塚山古墳
上町台地は古代文化の発祥地として知られており、かつては多くの古墳が存在したとされますが、現在はその数が少なくなっています。
その中でも帝塚山古墳は、保存状態が比較的良好な前方後円墳です。
かつては周濠に囲まれていたと考えられていますが、現在はそのような痕跡は見られません。
この古墳は4世紀末から5世紀初頭にかけて造られたとされ、大伴金村(おおともかなむら)の墓であるとの伝承がありますが、詳細は不明です。
グルメ
住吉区には、大阪名物のたこ焼きや焼き鳥など、たくさんの飲食店があります。
- 浪花屋(たこ焼き)
大阪メトロ御堂筋線の長居駅からすぐの場所にある『浪花屋』は、ミシュランガイドのビブグルマン部門でストリートフード店として2016年、2017年、2018年の3年連続で取り上げられた人気たこ焼き店です。
生地はふんわりタイプでしょうゆ味がついていてソースが無くてもおいしいたこ焼きです。
トロトロあつあつのたこ焼きを近くの長居公園で食べるのが最高です。
- 釜揚うどん 一心
うどんメニューが釜揚げうどん、ザルうどんのみのうどん屋さん。
釜揚げうどんを注文すると出汁の入った大きな徳利をドンっと置かれます。
この出汁が本当に美味しくて、濃い味でうどんと合わさると最高においしいです。
- 炭火焼とり 安喜
大阪メトロ御堂筋線のあびこ駅近くにあるビル一階のときわ横丁という細い通路にある超人気店の焼鳥屋さんです。
いつ行っても満席なので、予約していくのが無難です。
焼鳥一本のサイズが大きくてしかも安い!どれを頼んでも外れ無しです。
いろんな種類を食べたい欲張りな人は複数でシェアするのが良いですよ。
大阪市住吉区の生活環境
住みやすさ
あびこ駅や長居駅の周辺は、多くの大学生が居住しているため、スーパーなどで食材を比較的低価格で購入することが可能です。
また、電車で短時間移動するだけで、天王寺駅に到着することができます。
天王寺エリアは百貨店や商業施設が豊富にあり、日用品から特別なアイテムまで、幅広いニーズに応えることができます。天王寺へ足を運べば、ほとんどの必要な物が見つかるはずです。
治安の良さ
この地域は全体的に治安が良く、閑静な住宅街が多く見られます。
特に住吉東駅周辺は、ひったくりなどの犯罪件数が非常に少ない、またはゼロとなる年もあるほど、安全性が高いと評価されています。
地域のパトロール活動も活発に行われており、女性や子供を含む家族にも安心の生活環境が提供されています。
ただし、地域によっては治安が悪く犯罪率が高い場所も存在するため、引越しを検討する際には、安全なエリアの選択が重要です。
教育環境の充実
住吉区の教育環境の特徴は、以下のとおりです。
- 幼稚園・保育園の充実
住吉区は、子育て世帯が多く、幼稚園・保育園の需要が高いエリアです。そのため、幼稚園・保育園の数が充実しています。
- 小学校の学力向上
住吉区では、小学校の学力向上に力を入れています。そのため、小学校の学力は、大阪市内平均を上回っています。
- 学校選択制の導入
住吉区では新入学者対象の学校選択制が実施されており、保護者や子どもたちは自分たちの希望に合った学校を選ぶことができます。
医療・福祉の充実
大阪市住吉区は人口10万人当たりの一般診療所の数は、全国平均の69.75に対して住吉区は101.27という高い数値を記録しています。
内科系診療所、歯科医院、薬局の数も全国平均の約1.4倍に達しています。
これらのデータから、住吉区が日常生活の中で医療サービスの利便性が高い地域であることがわかります。
実際に住んでいた筆者から見た住吉区
住吉区は事業所が少なくほとんどが住宅地であるため、どの地域も主要道路から少し入ると静かな住宅街です。
私は長居駅の近くで暮らしていて、徒歩圏内にスーパー、コンビニ、パン屋があり、飲食店もそこそこあったので住吉区での生活はとても充実していました。
たまに長居公園でのイベントがあるとき夜でも騒がしいのですが、それはそれでお祭り気分になれて楽しかったです。
小さなお子様がいらっしゃる方は、駅や主要道路からから少し離れた地域のほうがゆったり過ごせると思います。